村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

土方歳三の後姿

前回、地震、津波のことを書いた。
そして、続きを書こうと思っていたが、それは、いずれということにしたい。

というのも、
僕のこのブログに最近(3月7日)、書き込んでくれた〈にぽぽさん〉という人、あの方、新選組検定を受けるということでした。
その結果どうなったのだろうと、気になっていた。

親しくさせていただいている方から知らせがあって、驚いた。

2級、3級ともに合格。
それも、2級は合格者の中でも、トップの成績だったそうです。

僕も、早速、その問題をやってみた。
3級は、2問の間違いで済んだが、
2級は、約20問も間違えた。
恥ずかしい。
にぽぽさん、すごい。

来年からは、あの検定、1級も始めると聞いている。
きっと、大江戸検定並みの難しいものになるだろう。
勿論、彼女は受験するだろう。
きっと、良い成績で合格だろうね。

ところで、
この度、この検定合格者には、どんな特典が用意されているんだろうか。
高い受験料なのだから、それなりにと、思っていたのだが、どうやら、もっとお金を払うようになっている(僕の誤解でなければ)。

調べてみると、
合格者には、認定証というものが出るらしいのだが、認定カードに自分の顔写真入りにすることが出来るという触れ込みで、その値段が2,500円。
あと、名刺というのもあって、それが、100枚1セットになっていて、3,000円とある。
もっとすごいのは、
和泉守兼定も買えるというやつで、その値段が38,000円だって。

つまり、上記のものが買えるよ、という特典なのである。
何でも、『金』がかかる。

そもそも、受験料が結構高い。
今回、3級が4,700円、2級が5,400円、両方受験で9,800円だ。

今年、何人受験したか知らないが、相当な収入になっているはずだ。
最初の頃はものめずらしいから多くの人が関心を示すが、こうした検定の宿命で、年々受験者は減る傾向になる。
大江戸検定だって、減ってきている。
新選組検定は来年以降も、末永く実施して欲しい。
そして、

是非、来年の1級合格者には、魅力的なご褒美を与えて欲しいな。

例えば、

*日野市の新選組ガイドボランティアの資格を得る事が出来る。
*土方歳三コンテストの審査委員になることが出来る。
*1級合格者にしか与えられない特性の新選組Tシャツ。
*歳三使用の和泉守兼定の本物に触れることが出来る。
などだ。

僕なら、土方歳三資料館の館長に掛け合って、品物にじかに触れることが出来るような特典を用意したいな。
勿論、手袋はしてもらうが。
和泉守兼定が駄目なら、日野には、まだ他にも歳三使用の越前康継や様々な品物はある。


ところで、
5月7日から3日間、函館に行ってくる。
ここ数年行っていないので、そろそろ、行きたくなってきたのと、
他にいくつか理由はある。

僕の本「人間土方歳三」は、土方歳三が明治2年5月初旬、政府軍の総攻撃を前にして、自分の半生を語るという設定で書いたものだ。

当時の鴻池箱館支店手代、大和屋友次郎が「歳三を囲む会」を開催し、市内の商人42人だったか、八幡坂にあった料亭武蔵野楼に集めて大宴会をしたのだった。

この雰囲気を気に入って、僕の本をいまもって積極的に売ってくれているのが、土方歳三記念館だ。
記念館の人々には、頭が上がらない。
大感謝。
420ページもあるハードカバーだし、旅先でそんな重いものを買って、皆さん帰るのだろうか。
だって、今じゃ本屋さんにも置いてもらえないし。

その記念館にご挨拶も必要だし、新装成った函館奉行所にも行ってみたいし、新しい五稜郭タワーにも登っていないので。
それに、気候も新緑のシーズンになってきて、歳三が函館湾に釣り船を浮かべて、半島を眺めたそのシーズンだから、また、その感傷に耽りたいのだ。

僕は、歳三に対しては、
「男の後姿」というイメージを持ち続けている。
だから、本の表紙は表を出しているが、裏表紙は「後姿」である。
HPのトップも、歳三の後姿である。

このイメージは、僕には拘りがあって、デザイナーに何度か書き直してもらって、ああゆう姿にしてもらった。

歳三という人、
口では強気な発言ばかりで、行動を伴にするのも辟易とするのだが、その実、寂しくも悲しい男だったと確信している。

函館湾に浮かぶ歳三は、もう、自分を演じなくてもよいようになっていて、楽になっていた筈なのに。
近藤さんや総司のところへ行くことを考えていたのだ。

私たちは、江戸の生活に戻れるか---1

昨年の大震災から1年が経過した。
この間、僕らは多くのことを学んだ。
最も大事なことは、人として、大げさに言えば、人類としての生き方だろう。

大地震、大津波は大自然の現象で、私たちにはどうにも避けることが出来ない。
だったら、その被害を最小限にとどめるしかやりようはないだろう。
そういう意味では、地震や津波の予知に多くの資財を使うのも意味のあることだ。

只、津波に関しては、困った現象が起こっている。
昭和に入っても、明治期にも、江戸時代にも、大津波はあったし、そのつど、僕らの先人たちは、「ここより先には、建物を作るな」と、標識などを立ててくれていたのだが、僕らはそれを守ってきていない。
確かに、その忠告を守るということは、風光明媚な海岸線とか、漁業などを行なうのに利便性の良いところを犠牲にすることになるから、困難なことに違いない。

だけど、このたびのような大災害にあっても、再び、こうした教訓を無視して海岸線に建築物を建てるのか。
きっと、そうするだろう。
だって、そこには生活があり、仕事があり、学校もあり、病院もあり、生活全般があるからだ。
かといって、
海岸線に、波打ち際に、高さ20メートルものコンクリの防波堤をめぐらすのも、ありえない話だ。

じゃあ、次の大津波が来たときは来たときで、犠牲者が出るのを覚悟で、再び、海岸線に人々が生活するに必要なあらゆる建築物を創設していくのだろうか。

日本という国に生まれて、春夏秋冬がそれぞれ美しく、おいしい食べ物も豊富で、豊かな台地に育って大いに感謝しているが、世の中うまくしたもので、地震と津波には悩まされてきた。

日本の、過去2000年ほどの地震の統計をまとめている人がいる。
その人に言わせると、一定の周期があって、この21世紀の中ごろまでに、『東南海地震』が再来することは確実だという。
東海・南海地震に着目すると、飛鳥時代以来、以下のような「歴史地震」があったそうだ。




(西暦) (地震)(マグニチュード)  (被害)
684 白鳳南海地震8.0~8.3 死者多数・土佐で津波被害
887 仁和南海地震8.0~8.5 京都・摂津を中心に死者多数
1096 永長東南海地震  8.0~8.5死者1万人以上、伊勢・駿河で津波被害
1099 康和南海地震8.0~8.5 死者数万、土佐で津波により大きな  被害
1361 康安南海地震8.0~8.5 死者多数、摂津・阿波・土佐で津波  被害
1498 明応地震 8.2~8.4 死者3万~4万人以上、伊勢・駿河  で津波被害
1605 慶長地震 7.9~8.0 死者1万~2万人の津波地震、関   東~九州で被害
1707 宝永地震 8.4~8.7 死者2,800~2万人以上、関東~九  州で津波被害
1854 安政東海地震8.4  死者2千~3千人、房総半島~四国  に津波被害
1854 安政南海地震8.4  死者千~3千人、紀伊・土佐で津波  被害
1944 東南海地震7.9  死者・行方不明1,223人、伊豆~紀  伊で津波被害
1946 南海地震 8.0  死者・行方不明1,443人、房総~九  州で津波被害

20XX 想定東南海地震 ?30年以内の発生確率:60%、50年以内の発生確率:90%




でも、これは、東南海地方に限定したものだけである。
関東大震災や東北の津波などは入っていない。

江戸時代に入って、地震が多いように見えるのは、それまでより、被害が正確に記録されるようになったかららしい。
また、この海域の地震は100年から250年程度の周期で起こっている。すると、次は今世紀中頃になるらしい。

このほか、昨今、頻繁に報道されるのが、東京直下型地震だ。
上の統計は、東海地方と南海地方に限ったものだから、関東地方まで入れれば、もっと回数は増える。

こうした地震、津波、火山活動などは、自然と共存してゆく限り、防ぎようがないし、何れ、途方もない地殻変動が起こるかもしれない。
日本列島が、再び、中国大陸と一緒になるかもしれない。
なが~い地球の歴史から思えば、何が起こっても不思議はない。
私たち日本人は、そうした場所に住んでいるし、そこで生きているのだから。

只一つ、気になるのは、
『原発』事故のことである。
これは、確実に、人災である。
我ら、人類が作り起こした災害である。
これがまた、始末悪い。

あの放射線というものが、途方もない悪さをしている。
人間が作ったものだから、自分達がその被害にあったって文句は言えない。
電力の源になるものだし、「便利だから」という理由で、また、軍事的な意味合いから作ったものだから、仕様がない。
でも、この地球には、人間以外の動植物も一緒に生活している。

今回の大災害で、いやな映像を見た。
牛や馬や犬などが、野生化して、あの福島の第1原発の周囲を走り回っている実態だ。あの動物たちも、かなりの放射線を浴びているに違いないが、今後どうなっていくんだろう。

人類は、果たして、『万物の霊長』なのだろうか。
そんなに偉いか。
こんなことをしていると、
すぐにでも、大水がやってきて、この日本も、水の上に出ているのは、富士山の頂上だけなんてことも起こるような気がして。
この思い上がりが、次の大きな震災を引き起こす引き金になっているような気がしてならない。

つづく。

≪新選組検定≫に思う

.


来月の3月18日に新選組検定なるものが行なわれる。
僕も、検定の出題をやってみたくて、問題を100問作ってその回答や解説も書いたことがあったが、これを実現させるにはいくつかのハードル、難問があって、それらをクリアーにすることがとても難しくて、棚上げになっていた。

そしたら、どこかで始まるという。
調べてみたら、
何と、僕の住んでいる日野市が『後援』のトップに上がっていた。次に会津若松市、函館市、調布市などが続く。
うちの市長がトップでコメントを書いていたが、検定に際して「おめでとう」的な文言があるのかと思ったら、検定に関することは一言も触れていなかった。
会津の市長も同じであった。
ただ、薄桜鬼というアニメを賞賛しているだけだった。
どうして、このアニメを賞賛するのか、不思議である。

この検定に関心のある人が言っていたが、3級問題の中に、薄桜鬼に関する問題が出るという噂もあるとか。

主催は、新選組検定事務局とあるが、実態は、運営のヒューマンソシリア(株)・日本出版販売(株)なのだろう。

この日本出版販売(株)という会社、略して「ニッパン」といわれるところだが、龍馬検定をはじめ、これまでに、二桁の検定を行なってきているという。

こういう検定は、社会的に関心事であることから、また全国的にマニアなどが多額の旅費をかけて受験しにきたりするから、責任感を持って執行しなければならない。

内容が歴史上の史実に基づくものであるから、そのすべてが真面目なものでなければならない。
果たして、新選組という題材が、歴史的真実に基づいて出題してゆくことが出来るのだろうか。
僕は、このブログでも何回も書いてきたが、新選組はわかっていないことが多い。
が、その割には、歴史的真実または史実のような伝え方がされてきているものもある。

まだまだ、映画や小説、聞き書きなどを持って新選組を語ってきている節が殆んどである。
新選組のバイブルといえば、子母沢寛の新選組3部作が挙げられている。
あの司馬遼太郎でさえ、それらを模範にして新選組を語ってきている。
元が間違えていれば、その後もズ~ト間違える。
試衛館の場所は、小石川になっている。
今では、牛込柳町が定説になっているのだが。

僕の友人で新選組ガイドをしている人が、『燃えよ剣』の中の記述の間違いが際立ってひどいので、大阪の司馬遼太郎記念館に電話して、その間違いを今からでも直したほうが良いという連絡入れたことがあった。
勿論、断られた。

土方歳三は、本当に腰に木刀を差して、背中に石田散薬の箱を背負って道場破りをしていたのだろうか。
石田散薬作りに、女子供を使って采配を振るっていたという史実はあるのだろうか。
それが、後の新選組副長の采配に役立ったという小説上の話が、本当のように子孫の間で伝わっているが。

石田散薬という名称も、甲陽鎮撫隊という名称も、明治期に入ってからつけられたものだという話もどうやら本当のようだ。

この新選組検定、新選組研究では第一人者のK.A.氏が監修するという。
彼の研究は真摯なものが多いから、僕も敬服している。
その出題者自らが講師となり直前の合格対策講座をやるらしい。
個人的には講座をやるなら、出題者以外の講師にしてもらった方がいいような気もするがーーー。

主催・運営者は儲けることしか、考えていないのかもしれない。
だって、受験者は、誰だって、出題者が対策講座をやるんなら、受けざるを得ないでしょう。
受けなきゃ、試験に絶対不利である。

僕は、『江戸文化歴史検定』を、始まって2年目に受けたことがあった。
そのことを、このブログに書いた。
かなり、酷評をした。
どうも、やり方が、商業主義的で、すべてに誠実さが感じられなかったからである。
あれは、江戸東京博物館が深く関与して始まったものだが、それなりのオーソリティーがあった。
が、いまは、その博物館も距離を置くようになった。学芸委員に聞いてみた。
「やばい」と、感じたらしい。

龍馬検定というのも聞いたことがある。
あれも、どうやら、ここ2年は開催していないようである。
『ニッパン』が主催している。
こういう、検定というものは、始めた以上は毎年開催する義務がある。
でないと、受験者に失礼である。
というより、背信行為といえる。
前年に落ちた人は、来年に向けて再び猛勉強に励むものである。
それが、開催されませんなんていうことが許されるのか。
そう思うのは僕だけだろうか。

皆さん、受験者は真面目なのである。
お金も相当に使っているのだ。
地方から、東京に出てきて受験すれば、結構な金額が必要だ。

この新選組検定も最初の2,3年で尻切れなんてことのないようにして欲しい。
来月行なわれる検定の出題を見て、再び、論評したい。

村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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