村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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この時代、幕末の志士たちから何を学ぶのか

今朝、職場の人が朝日新聞のコピーをくれた。
――『AAN世界の窓』fromアジアネットワーク――というコーナーで、早稲田大学教授 天児慧(あまこさとし)という人の論説だ。

そのタイトルは、《幕末の志士から何を学ぶか》というものだった。彼の主張を要約すると、
 「どのような方向に向かって動いているのか、その中で日本をどう位置づけ、どんな指針を示していくのか。今まさに日本の政治指導者が問われているのはこの一点である。
  そうした折に、未来へのメッセージを示すことなく、国際社会からの独立化と日本のプレゼンス低下をものともせず、ひたすら《靖国という過去》に固執し、自我を通し続けることがいかに愚かなことであるか」

 「こうした人たちの多くは吉田松陰や坂本龍馬ら幕末維新の志士たちを憧憬している。小泉首相は執務室に松陰のブロンズ像を飾っているという。彼らの何にあこがれ、尊敬しているのだろう」

 「彼らのすごさは日本が『鎖国の平和』をむさぼっていた時代に、いち早く新しい変化の兆候を嗅ぎ取り、それがとてつもなく重大なことだと受け止めたことにある。……勇気と知恵をもって『西欧列強の侵略』をかわし、旧体制を打破して新体制を打ち立てることに全身を投じたことにある」
 「いま、その精神と姿勢を学ぶことなく、幕末の志士を仰ぎ奉るのは『虎の威を借る狐』にも等しい」と、手厳しい。

 「近現代史の中で、この三国は厳しい対立・戦争を経験した。如何なる言い分はあれ、仕掛けたのは中国、韓国ではなく日本だった。そこを充分に認識した上で両国の人々の気持ちに配慮し、信頼と協力の関係作りに全力を屈すのが我々の使命ではあるまいか。
……未来のアジアの姿を見据えてこそ、日韓中の連携も可能となる」と、結んでいる。

小泉さんは、「心の問題」だといった。
相手の国の人にも『心』がある。
『心』を口に出来る人は、他人の心を思いやることが出来る人のことである。

僕は、このコーナーで過去何回か、幕末維新の志士たちから学ぶべ
きものがあるはずだと、主張して来た。
彼らの優れている論理は、目の前のことに囚われるのではなく、50年、100年先の日本を見据えていたことであった。後世の日本人に恥じない改革をしておこうと、必死だった。
でも、自分らのしてきた改革が決して国民のためになっているとは言えず、むしろ唯ひたすら身分の高い権力者や一部の商人らが利権をむさぼっている現実に、『維新のやり直し』が必要であるとして、反乱を起こしてきたのが萩の乱であったり、佐賀の乱であったり、西南戦争であった。

征韓論に敗れた西郷さんという表現を使う人がいるが、彼は一度として『征韓』と言っていない。遣韓使節なのである。
ヨーロッパからやってくる列強の侵略から、国を守らなければならない。そのためには、日韓中が力を合わせるべきであるというのが勝海舟の論理であったし、その弟子の坂本龍馬のテーゼでもあったし、西郷も影響を受けた。
日本は協力しなければならないその2国を侵略した。その謝り方が不十分だとして朝鮮半島も中国本土も納得していない。反省していないからだという。その上に靖国問題である。

A級戦犯が、東京裁判で、アメリカの、勝者の論理で行なわれたもので、あれに正当性はないと主張する人がいる。だとしたら、数百万人を殺したアノ戦争の責任は誰にあるのか。
わが国は、総括なし、放りっぱなしで戦後60年経過してきたことになる。
なんとも妙な国である。
こうしたことの繰り返しが、国際的な信用を下げてきている、失墜してきていることにならないのか。

昨日、自民党総裁選挙の立候補者が出揃った。
安倍晋太郎で大方決まりという雰囲気の中、多くの関係者は勝ち馬に乗り始めている。
彼は憲法を改正すると公約した。この憲法も、アメリカから押し付けられたものだという理屈である。
改憲問題というものは、そう簡単に口に出来ない最重要課題として、これまでの首相らも慎重に発言してきたのだが、どうしてか、安倍さんはやすやすと言ってのけた。
彼は長州の出だ。
思い返せば、この国の軍事体制を作ってきて、国民をマインドコントロールしてきたのも、山県有朋をはじめとした長州系の人たちである。

奇妙にも、A級戦犯否定派と憲法改正論者は一致している場合が多い。先の戦争は、軍部に責任はないと言い張り、今の平和憲法が、邪魔くさいと感じている人たちなのかもしれない。この地球上で行なわれている様々な紛争に、自衛隊が軍隊としてすんなり出動できないからなのか。

東京裁判も今の平和憲法もアメリカからの押し付けなのだが、これを否定する人たちは、どういうわけか不思議なことに、日米安保条約を維持しアメリカの傘の下が心地よいと考えている人たちなのである。

思い起こせば、幕末から明治にかけて有能な人たちが随分と「天誅」の名の下に暗殺された。開明的な開国主義者、又は平和主義者に、多く天誅が加えられてきている。
『攘夷』といってさえいれば、安全であった。
今も、そんな空気がないか。
靖国を批判すれば、家も焼かれてしまう世の中なのである。この国に、本当に言論の自由があるのだろうか。ものを言えば、権力や暴力で押さえ込まれる。
今こそ、憲法を大事にしたい。

憲法が、どういう経過で誰が創ったものかは、この際、大した問題ではない。重要なことは、今の日本国憲法を我ら日本人がどう思うか、感じているかである。
国際的には、すばらしい憲法であるとの評価が高い。
よいのなら、誰に押し付けられたものであろうと、誇りに思えばいいのである。
僕は、総じて、その精神上、これ以上の憲法は作れないと思っている。

改革というが、改悪に繋がらなければよいのだが。
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2006/08/27(日) 00:52 | | #[ コメントの編集]
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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