村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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「人間土方歳三」を書くきっかけは、”坂本龍馬つながり”にあった

2002年の夏に、家族で京都へ行ったことがある。
末の娘が毎日のように、武田鉄矢のアニメ「おーい竜馬」をビデオで見ていたので、夏休みに、京都国立博物館で開催されていた「坂本龍馬展」を見に行ったのだ。

龍馬が、慶応2年の1月に伏見の寺田屋で、幕府の捕り方に襲われたことがあった。危うく、寺田屋の娘おりょうと薩摩屋敷に逃げ込んだのだが、その後、西郷隆盛の媒酌で結婚し、薩摩の船で、九州へ新婚旅行に出かけた。
これが日本で最初の新婚旅行といわれている。
その新婚旅行で霧島に登ったときのことが、龍馬自身の手紙で述べられていて現存しているのだが、その実物を前にして娘に、どんなことが書いてあるのかを説明していたら、後ろから一人の品のよい男性に声をかけられた。

「よくご存知ですね、何か、専門のお仕事をされているのですか」
 と、問いかけてきた。
「ええ、でも私は龍馬ではなくて、新選組なんですよ」
 と言って、名刺を差し出した。
 その人は一瞬戸惑いを見せ、私の名刺を見ながら、
「日野市というのは、東京にもあるんですか。すぐそこに、琵琶湖の向こう側になりますが、日野というところがありますが、東京にもあるとは、初めて知りました。
 それより、この名刺を拝見して驚いたのは、市役所のお仕事で『新選組特命』でいらっしゃることです。そういう方がこの日本の国にいらしたとは……。あっ、失礼」
と言いながら、ご自分の名刺を出された。

『高知県立坂本龍馬記念館館長 小椋克己』とある。
その場で、娘は小椋氏に直接さまざまなことを教わっていたが、小椋氏はそばにいた私に、
「ところで、あなたに見てもらいたいものがあるんですが」
 と、私たちを奥の展示室のほうへ案内した。
 展示ケースの中に横長の絵巻物が置かれていたが、戦闘風景が描かれていた。どうやら鳥羽伏見の戦のシーンである。
 小椋氏は絵巻物のひとつの場面を指差し、
「あそこに『誠』の旗が見えますが、その前で馬に乗っている人は誰ですか」
 ときた。
 私は、初めて見る巻物だったので、即座には答えられなかったが、どうみても土方しか考えられなかったので、
「土方歳三に間違いありませんね」と答えた。
「でも、あれは隊長ですから、近藤勇ではないのですか」
 と確かめてきたが、
「いや、あの時は、近藤は肩を打ち抜かれていて、大阪城に運ばれていったんで、土方しか考えられませんね」
 などと、会話を交わした。

この時のことが縁になって、翌年には京都国立博物館(以下、京博)の同じ場所で、「新選組展」を開くことができた。
小椋氏が私に、京博の学芸員、宮川禎二さんを紹介してくださったからだ。宮川さんは龍馬は勿論だが、『おりょうさん』の専門家で、昨年、『龍馬を読む愉しさ』という本を出版された。

その後、私と小椋氏と宮川さんの三人は仲良しになって、よく会話を交わしたが、はるばる高知と日野から京都に集合して、三人でよく食事をした。

 三人で美味しいものをいただいている時、小椋氏が言った。
「村瀬さんは、新選組についてかなりお詳しい。そろそろ何かお書きになっては……」
 その勧めに応じて『書いてみようか』という気がメラメラ湧いてきた。そして、小説『人間土方歳三』が誕生した。
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
    サイトに関してのお問い合わせ(動作不具合など)は管理人までお願いします。
    村瀬へのメールはこちら






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