村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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格差を感じるときがやってきた

僕の職場には、日本全国の地方自治体の現状を速報で報告するニュースが配られてくる。最近目に付いたニュースで、ため息が出てしまうのが、我々の給与のカットと勤務評定による格差付けである。
茨城県に、牛久市というところがある。
ここでは、暮れのボーナスで、勤勉手当が格差3倍にもなっているという報告があった。中には、その手当てがゼロの職員もいるとのことである。期末手当と勤勉手当の二本立てだから、全くなくなってしまうわけじゃないのだが、職員間の格差はかなりの開きが出てくる。
金額でいうと、勤勉手当395000円をもらえる人と、ゼロの人がいるとか。

実は、僕の職場だって、同じような制度が既に導入されている。牛久市ほどの差は出てきていないが、勤務評定による成績率を導入して、毎年のようにこの差を広げている。
この勤勉手当というものは、勤務成績によって支給するとどこの自治体でも定めているはずだから、この「勤務成績」というものが問題になる。
大概は、現場の課長クラス(所属長)が部下を評定するようになっている。部長が課長を、助役が部長をという風に査定する。
うちの市でも、偉い人が、「年功序列の悪癖の雇用体系から実績主義への転換をし、職員の意識改革を図って市民の理解をうる」と、お決まりのせりふを言っているが、果たしてそのとおりなのだろうか。これによって、働きのいい人間とそうでない人との差をつけることで、市民に理解をうるらしい。
ん~ん。
そんな、もんか。

実は、僕だって、この制度が導入された頃、課長として部下の成績をつけていた。こんないやな仕事はない。だって、原資は決まっていて、それを職員通しで取り合うのだ。強引に現場の課長に差をつけさせる。
つまり、悪いやつから引っこ抜いた分を、トップのヤツに振り分けるのだ。
何を基準にーーー。
仕事っぷり?
男っぷり?
女っぷり?
ゴマすりっぷり?
要するに、時の所属長に気に入られなきゃ、なんにしても駄目なのだ。いくら仕事が優秀だって、課長に嫌われれば、そのような評定にされる。
年に2度は人事異動がある。
課長が代われば、新しい課長がどんな人間なのか、上を狙っているやつは、気になるに違いない。どんな人間にも合わせられるタイプじゃなきゃ、出世は出来ない仕組みだ。

「おい、沖田、この春入隊してきた吉村とかいう、南部訛りの強いやつ。ヤツは、つかえるか」
 副長の土方は、急激に膨れ上がった組織の人事に連日、頭を痛めている。
 昨年の秋、近藤がじかに江戸へ出て、伊東とかいう気取ったおかしな奴と、その一派10人ほどを入隊させてしまった。土方は、どうしてもこの伊東とは肌が合わない。
そのほかにも40名は昨年中に入ったし、今年に入ってからも、土方が江戸へ下って、またまた50人ほど入隊させた。だから、新選組の所帯は一気に、優に100を超える組織に膨れ上がっていたのである。
「ええ、思いのほか、出来ます。ヤットウの方も、かなり出来ますから、即、剣術師範でも勤まると思われます」
「そうか。―――ここで、人材が欲しい。人物としてはーーー」
「そうですね。私には、土方さんほど人を見抜く力はありませんが、信用できる人物に見えますね」
ニ三度うなづく土方。
「ただし、土方さん。あの人には、一つ難点がある」
「―--」
「金に汚いというか、執着が強すぎるんです。だから、進んで死番をやりたがる」
「なぜだ」
新選組はこの春、手狭になってしまった前川、八木邸を引き払って、ここ西本願寺に本陣を移したばかりだ。
慶応元年の夏はやけに暑い。
北集会所の正面に据えてある大きな階段に座って、うちわを仰ぎながら沖田は言う。
「皆が言うには、どうやら、その金をせっせとふるさとの南部へ仕送りしているらしいですよ」
「そういえや、思い出した。俺が最初に接見したときも、奴はそんなことを臆面もなく言っていた。でも、そのくれえのほうが、返っていい。迷いがないからな。-――自分の仕事に忠実に、余計な雑念ってものが入らねえのがいいんだ。そういう意味では、総司、おめえも同じだ」
 何だか、土方に侮辱されたような気になってしまった総司。
 不満そうな顔をのぞかせた。

 新選組には、出世向きのタイプとそうでないのがいる。永倉新八や原田左之助は近藤土方のやることなすこと、いちいち批判的で、元来、出世できる向きではなかったが、試衛館からの付き合いでそれなりの役職はつけてやらなきゃならない。副長助勤は仕方ない。
武田観柳斎、谷三十郎なぞは、幹部から嫌われる性格であった。だから、出世どころか二人ともとうとう、内部から粛清されてしまっている。
この辺りは、実力とはあまり関係ない。あくまでも、土方の眼鏡にかなっているかどうかが問題なのである。
どこの組織にも、土方的幹部はいるものだ。
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コメント
評価の基準ーーー?
そうですね。
何を基準にね。
民間なら、なんだってかまわない、社長の趣味であろうと好みであろうと、それが基準だといえばいいのかも。
尤も、それだって今は、労働基準法にふれないように気をつけないといけない。

だから、サービス残業だって、慎重にならざるを得ない。
ところが、わが社(?)では、堂々と、それがまかり通っている。時間外なんぞ出勤簿につけようもんなら、途端に評価が悪くなる。あなたの言うように、休暇なぞ、権利を主張しようもなら、それなりの評価になります。
つまり、上司によい評価をして欲しければ、労働者に与えられている権利を出来るだけ行使しない、また主張しないことですな。

そういう意味では、確かに、この国、後退していますね。僕らが就職した30年や20年まえまではこうじゃなかったもん。
いまどきの季節になれば、若い人たちは、もっと自由にスキーに行けた。
こうした現象は、ウチの職場ばかりでなくて、恐らく、全国的な現象でしょう。

弱いものどおしで、喧嘩させられている。
小売店や自営業者なぞの商売人にしてみれば、休みもなく働いている人が多いから、サラリーマンは恵まれているという理由で、待遇が悪くなったってかまわないと思っているひとが多い。年金にしても健康保険にしても、自営業者は割り食ってますから。
一方、税金面では、逆に自営業者は恵まれている。完全に把握されないですんでいますから。
労働者がストライキなぞしようものなら、政治家よりもまず最初に自営業者が『迷惑スト』だと非難しました。

どういう訳か、両者は対立の関係にされている。
そのほうが、誰かが都合がよいから。
この両者が協力したら、それこそ、大変なパワーになってしまう。やはり、敵の勢力は分断するに限るのでしょう。

それと、労基法を改正(アク?)しようとしていますね。
いくら残業しても、手当て支払わなくてもよくなるのかなあ。あの提案、あきらめたのかな。
だって、参院選勝てないから。
選挙が終わったら、再び出してくるって寸法。
この国、変ではありませんか。
それを国民が許している。
許さなくなったときに、1つ進歩したことになるのでしょうね。
憲法改正も教育改革もその手らしいが、こんな重大なこと、それでいいの?
本来、政策として、選挙で信任を得るべきでしょう。

もう、この辺で止める。
危ない発言だから。
今の仕事、退職してから、もう少しいいたいこといいます。

最後に、1つだけ。
僕の信条として、『バランス』ってものが大事だといつも思っています。
一時代前と違って、経営者側と労働側とのバランスが崩れてしまっていることに、すべての原因があると考えられます。それは、単に労使とかのバランスではなくて、いろいろなことに影響しています。給与が上がらないどころか下がりっぱなし、だから、僕らの購買能力は上がらない。景気は良くなるはずがない。株も戻らない。経済が発展しない。格差が広がる。国際的な信用が下がってきているから、『円』の価値が下がりっぱなし。
消費者運動もなくなってしまった。以前は、物価値上げ反対や洗剤や食品などで、消費者が立ち上がったものだが、近頃、トンと、学生運動がしぼんでしまったのと時を同じくして、『運動』ってものがなくなってしまった。
これは、ものが言えなくなったということと、イコールではないでしょうか。

ついでに、子供が減って、一クラスしか編成できなくて、運動会が成立しない。だから、学校を統合、消滅、合併させる提案が出てきている。
これは、関係ないか。

政治も偏ってはダメで、アメリカやイギリスのように、ほどほどに政権交代がいいのじゃないかな。

江戸の時代は、よく出来ていますね。
北と南の奉行所が一月交代。老中も協議制だし、犯罪人を処刑するにしても3手(勘定、町、寺社奉行)や5手(さらに大目付、目付)で討論する。
吉田松陰は、5手で評定したが、たいした罪はないと判断された。だが、大老の井伊直弼が評定のやり直しを命じた。もう一度討論したが、やはり重罪ではないと結論づけられた。それを、井伊が強引に死罪にしてしまったものです。
今の北朝鮮にいるような人だった。
だから、暗殺された。
話がそれた。

江戸の時代は、すべてに、偏らないように、チェック機能を働かせていたんですね。いつの時代が幸せだったのか、わかりませんね。
この時代、見習うべきでしょう。
また、コメント、ください。
2007/02/18(日) 22:07 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
私たち公務員(私も実は地方公務員)って何を基準に勤務評定決めるんでしょうね。営業成績とか利潤に貢献するわけじゃないし・・・。結局朝は早く出勤し、なんとなく遅くまで職場に残り、有休を率先してとりましょう、といいながらとらない人が評価される。というのが、私の職場の雰囲気です。
 私は朝はぎりぎり(ちゃんと間に合ってますよ)残業せず。有休は・・・ちょっと取りにくい。で所属長とは最低の会話しかしないようにしている。最悪の評定ですな~。でもやることはきっちりしているつもりです。中にはやることができない人も確かにいます。でもそれをどう評価するの???難しいですね。
2007/02/17(土) 16:32 | URL | ごっちゃん #mQop/nM.[ コメントの編集]
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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