村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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『格差社会』―――憲法で保障された文化的な生活とは

最近の新聞記事で、気になるものがいくつかある。
僕は以前から、「ごみ」や「年金」の仕事をしていたと、このコーナーでも繰り返し言ってきているが、そのテの記事で社会的に影響が大きいと思えるものに対して、強く反応してしまう。

それとは別に、僕は半年前から、民間の老人ホームを訪問して音楽をやってきている。
最初は、テナーサックスやソプラノサックスの演奏をしていたが、これではまずいと思ったので、皆さんと一緒に懐メロを歌い始めた。
自分で、模造紙に大きくひらがなで歌詞を書いて20枚ほど持参して、歌の時はギターを引いてきた。
でも、ギターはうまくない。
一緒に歌うのだが、歌もたいしたことない。
先月からは、最近流行っている『千の風にのって』をソプラノで吹いて、皆で歌っている。これが、結構受けていて、今月も一緒に歌う。

ところで、僕が訪問して音楽をするときのイメージは、その施設で働く職員の人たちも一緒に参加してくれることを想定していた。だが、実際は、僕が強く言わないとその場にいてくれないのだ。むしろ、これ幸いと、その1時間ほどのあいだに、やり残した仕事を片付けてしまおうとしているらしい。
だから、僕に、「おねがいします」なのだ。僕は、約1時間、30人前後の高齢者を預かることになる。
複雑な心境で、活動してきた。
僕が訪問している老人ホームは、中級レベルの施設で、まだ、入居開始して2年程度のところだが、中にいる人たちの平均年齢は90歳を超えている。

最近、こうした施設で、手足をベッドに縛られたり手錠をはめられたりして、虐待の報道がされていたようだが、そういうことが起こる最大の原因は、人手不足であろう。
恐らく、僕の通っている施設も、人手がかなり足りないような気がする。皆さん、忙しそうに廊下を走って仕事をしている。僕はボランティアだから、何も構ってくれなくともいいのだが、それでも、お茶ぐらいは用意してくれる。
終わってから、いただくのだが、誰がいるでもなく、そばに電気ポットが置いてあって、勝手にお湯を入れてやってくださいということになっている。
何の不満も無い。これでいい。
が、
最近の新聞のニュースで、改めて考えさせられた。

 介護事業所指定 Kが不正取得 3ヶ所職員水増し 都、業務改善勧告
 他の大手2社も過大請求

★GWGの訪問介護大手「k」の3事業所が、実際には勤務していないヘルパーを常勤として届け出るなどして、……
★常勤ヘルパーの人数が介護保険法の基準以下なのに、介護報酬を水増し請求するなどしていた実態がわかり、……
★K以外にも、訪問介護大手のNとJで不正請求などがあったことが判明、……、急成長する訪問介護ビジネスサービスの質が改めて問われそうだ。
★都の監査では、これ以外にも同社の複数の事業所で管理者が不在の期間があったり、サービス提供責任者や常勤ヘルパーの数が介護保険法の基準に達していなかったり、……介護報酬を過大請求していた事業所も見つかった。何らかの過大請求があった事業所は、監査対象となった186事業所の相当数に上ると見られており、……。

様々な企業が、これからは福祉ビジネスが相当膨らむと見て、商売の幅を広げるなり、商売換えをしてきている。
実際、僕らをはじめ団塊の世代が老人化し、これから続々と仲間入りしてくるのだから、この種のビジネスがもてはやされるのは当然のことだ。
行政の行なう特別養護老人ホームの数が全く足りず、3年も5年も先にならないと入居できないなんて実態を聞かされれば、高額の金を払っても、民間のホームに入居しようと考えても当然だ。
然し、そこに働く職員たちの労働条件の劣悪さは、目を覆うものがある。苛酷な労働の割りに、驚くほど賃金が安い。それに、最近の傾向として、正規の職員が少なくて働いている人たちの殆んどがパートやバイトである。

だから、僕の訪問している日野市内のBというところでも、まだ半年だが、前にいた人が既にいなくなっている実態が一人や二人じゃない。廊下に、写真入りで働く人たちの氏名と役職が張ってあるのだが、顔ぶれが結構変わっている。
わかるような気がする。

もう一つ、紹介しよう。
4月4日のS新聞に、こういうのがあった。
  
◆ 現業地方公務員給与 民間の1.6倍
    清掃職員など現業部門の地方公務員の給与が民間企業の類似職種の平均給与の1.3~1.6倍程度と、高いことが3日、総務省の調査でわかった。
調査では、都道府県と政令指定都市を対象に、地方公務員と民間の平成18年4月1日現在の給与を比較。
その結果、いずれの業種も地方公務員のほうが割高で、
清掃職員は都道府県が1.66倍、政令市が1.52倍、
給食調理員は都道府県が1.52倍、政令市が1.38倍、
バス運転手は都道府県が1.54倍、政令市が1.47倍だった。

こういう記事は、一般には、好感を持たれて、「そうだ、そうだ」どんどん公務員の給与なぞ削れ、ともてはやされる。
だが、ちょっと待って欲しい。

僕は、「ごみの大改革をするから思い切った対策を考えてくれ」といわれて、当時、リサイクル推進課長に任ぜられたことがあった。
自慢話になるが、日野市のごみを半分にした。
これは今から6年前のことで、そう昔のことではないから、今でも減量効果は続いていて、日野市の改革は全国的にも有名である。

このときの仕事の苦労は尋常なものではなく、様々な障害があったのだが、中でも、頭を抱えてしまったのが、委託業者への委託金のことであった。
日野市のごみの収集方法は、それまではダストボックスのステーション方式をとっていた。こんなシステムじゃ増える一方で減らせるわけが無いからと、思い切って、『完全戸別収集方式の有料化』にしたのであった。
この完全戸別収集は、可燃や不燃のごみばかりでなく、新聞、雑誌、ビン、カン、ペットボトル、プラスチックトレイ、古布なぞ、すべてを分別して日替わりで、玄関先においておけば、行政が訪問して一軒一軒収集するものだ。
「お前は、バカか」
と、随分言われた。
大変な手間、経費がかかる。
確かにその通りで、ごみなんてものは何でもかんでもひっくるめて一回で収集すれば、一番費用が安く済む。
それまで、東京でワースト1の日野市が、そんなあほなことが出来るわけがないだろうと、ごみ減量審議会も相手にしてくれず、3ヶ月が空転したことがあった。
今から、8年ほど前のことである。周りの市町村からも、奇異の目で見られた。「どうせ、失敗するさ」と。

結論から言えば、今、日野市の周りの自治体は、当市のごみ行政を”お手本”として視察に来ている。テレビ局や新聞社の取材もしじゅうである。
収集業者に対する『委託金』であるが、その殆んどが労働者の賃金である。

ごみの収集や選別、し尿、死体処理などの仕事は、我国では人種差別の最下層の人たちが長く担ってきている。そして、劣悪な労働条件の下で最低の賃金でよいとされてきた。
また、こういうところで働く人たちも、現代では、身障者だったり、老人だったり、前科者だったり、外国人だったりしている。
これが、我国の実態である。
僕は、若い頃からこういう事態に対して疑問を持ってきている。
こういう仕事を担ってくれる人たちこそ、優遇されてよいと思い続けてきたし、今でもそう考えている。でも、組織とは、そのような考え方は弾き飛ばされるように出来ている。
でも、自治体は、直接職員としたからには他の職員と差別は出来ないから、それでも精一杯、生活できる程度の賃金を与えてきた。
それは、勢い、民間の清掃業者で働く労働者とは開きが出来てしまう結果になり、それがここへきて極端になってきたのだ。
所謂、『格差』社会に突入しているから、低い人は今、更に低くされているからだ。

これらを、低いほうに合わせようとする“作用”が働いてきている。マスコミも、一緒になって大合唱だ。
恐らく、新聞記者も気づいていないようだ、自分も格差社会増長に加担しているって事を。
だから、先のS新聞のような書き方になるのである。
気づいていて書いているとすれば、相当悪質である。
本当に、これでよいのか疑問を持つ。
今、憲法改正論議が行なわれようとしているが、所謂3kで働く人たちにこそ正当で、文化的な生活が営める給与を渡すべきだと思う。
政治というものの「質」を考えるとき、その国の最下層の人々が如何なる生活レベルにあるかによるのだ。
我国は、どうしてか、ろくに働かない奴に限って高給をとる傾向にある。
お隣の国、拉致を行い、ミサイルを発射する行為を批判するのも良いが、自らも、国の品格を保ち国家の信用を回復するには、働いただけの正当な対価を渡すなど、人道的な配慮が行なわれることが必定なのではないか。
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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