村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

講演体験談 暮らしが織りなす地域の美―――2

終戦後、昭和20年代後半から30年代は東映の時代劇の全盛期であった。
この頃は、毎週のように封切りの映画があったから、作るほうも異常な過密スケジュールだったに違いない。人気俳優は、きっと寝る間もなかったのではと思われるが。

僕は、小・中学生の頃(昭和30~38年頃)、お袋から30円貰って西荻シネマに頻繁に見に行った記憶がある。ここは、封切館ではなく、お下がりの映画を3本まとめて上映する、とにかく古くて汚い(小便の臭いが漂っている)お下がり館だったが、東映を中心に新東宝や大映、松竹など何でも見せてくれた。
僕は、鞍馬天狗が大好きで、アラカンの天狗と美空ひばりの杉作というキャストを覚えているが、堺正章のお父さんで堺俊二という名わき役も出ていた。
あの頃は、僕だけではなく、近所の子供達も一緒に映画館に行ったから、特別なことではなかった。

この当時、特に多い題材はなんといっても「忠臣蔵」ものだが、それについで「新選組」、「次郎長もの」も多かった。これは、僕の漠然とした記憶なのだが、封切られたのは特に、年末が多かったように思う。忠臣蔵はその物語のクライマックスが12月14日だからよくわかるのだが、他の二つも12月が多かった。
これらに共通しているのは、オールスターものである点だ。
その年に活躍した俳優さんたち総出で年末を飾ることができるのである。NHKの紅白歌合戦や競馬の有馬記念みたいなもので、見ごたえがあるように演出する。

新選組は、その題材にもってこいなのだ。
なにせ、試衛館の幹部連中のほかに、谷三十郎兄弟や伊東一派まで含めれば15人から20人程度はいるはずだ。他の隊士達も含めれば全盛期には200名を超えていた集団なのだから、赤穂浪士や次郎長一家などより人数は多い。
このほかに、長州系の桂さんをはじめとした有名人、土佐だって龍馬を始め後藤や中岡、薩摩は西郷、大久保、幕府側でも勝海舟から永井尚志、松平容保など出そうと思えばいくらでもいる。
オールスターには、もってこいだ。

この頃の映画のポスターを一手に特集して、一冊の本にまとめたのが『燃えよ新選組』である。これは、東映に長く勤務されていた岸田一則さんが、倉庫に眠っていた新選組関連のポスターやスチール写真を探し出してきて一冊にまとめたものだ。そういう意味で、大変貴重なものである。
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この人とは大河ドラマをきっかけに仲良くさせてもらっていたから、大河ドラマのイベントのとき、最終日の10月31日に、栗塚氏と岸田氏と3人でトークショウをしたことがあった。
このスチール写真を、倉庫が一杯なので東映側が処分するというので、貰ったことがあった。それは、しばらく日野市の『新選組のふるさと博物館』に、僕が館長をしていた頃は飾っていた。

例によって、話がそれっぱなしである。
新選組は、物語として長く伝えられてきているところから、映画やドラマの題材になっていったのだが、それだけに卒論には向かなかったのかもしれない。
でも、NHKが大河に取り上げたことで、大分印象は変わってきたと思うが。

この講演のメインテーマは、「近藤勇は攘夷の志士であった」ということだった。
このことについては、新選組を少しでも研究した人なら常識として知っていることなのだが、一般的には余り知られていないことである。
ましてや、京都の人々にしてみれば、京の街中を闊歩して歩き、攘夷の志士たちを血祭りに上げた恐ろしい浪人共という認識が今も昔も強いので、きっと僕の話が新鮮だったに違いない。
僕はこの話を、近藤さんが郷里に出した書簡と幕府の老中に出した上申書などを資料にお話を進めた。

長いので、続きは第3回に。
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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