村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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沖田総司の母親探し―――『新たな発見』

直江兼続や前田慶次について、書かなければいけない。
でも、最近、新選組関連を書いていないし、いけないなあと思ってもいた。

6月13日に、“総司忌関連のツアー”の打上げに参加したので、そのことを書く。
(僕は法事が入っていて、その日はなんと不思議なことに、総司終焉の碑が立っている今戸神社横の「慶養寺」というところで49日の法要に出席していたから、夕方からの打上げに出席した)

それは、日野宿文書検討会が企画・主催した沖田ツアーであった。

名称未設定-2

このツアーの行程はまず最初に、井上本家や分家があり沖田ミツの本籍がある日野の北原(旧名)を出発して、僕らが総司の母親の出身として信じて疑わない宮原家を見学する。

次に宮原から数分先で、日野駅近くの宮原家の菩提寺薬王寺を見学し、多摩川沿いを散歩して立日橋を渡って立川市に入る。
ココは柴崎町であり、沖田家が明治に入ってから住んだところだ。

ココに普済寺という寺院があり、そこに沖田家のお墓がある。
(JR中央線で、立川から日野に向かうと多摩川を渡るが、その手前の丘の上に見える)
本家の墓は麻布の専称寺にあるので、分家関係の寺だ。
ただ、不思議なことに、ココにも墓石に『大野』の文字が彫られている。
総司の戒名の両脇に、俗名大野源次郎の戒名が彫られているのは知られていることだが、なんと、ココの分家の墓にも彫られていた。


普済寺にある沖田分家の墓


向かって左の墓碑に「大野氏」と刻んである。


この大野さんについても調査を継続しているが、未だにどの人か判明していない。
ツアーはココで終わりで、その後、僕は立川駅で合流した。久しぶりに、沖田や新選組の話に花が咲き、気分の良い宴を味わうことが出来た。

今回のタイトルに『新たな発見』としたので、そのことを書かなければいけない。

本当は、『大発見』をしたいのだが、かなり難しいことだ。それはとりもなおさず、総司の「母親探し」のことである。これは、僕が死ぬまでの間に、何とか解明したいと願っているーーー。

新選組関連、特に沖田総司のもので、これから新しい発見といってもなかなか困難なのだが、それでも、少しずつの進展はある。

僕は、日野にある資料の中でも、第1級のものは井上松五郎の「旅日記」だと思っている。
アレは、松五郎が文久3年2月13日に、14代将軍家茂の随行で上洛したとき、5日前に出発していた浪士組と京都で連日顔を合わせて、交流をしていたことが書かれているからだ。

近藤や土方歳三、総司、源三郎などと連日のように酒を酌み交わしたり、悩み事を聞いてやったりしている様が紹介されていて、嘘偽りを感じさせない、信憑性の高い資料だからだ。
と言うことは、新選組関連の資料には、どうももう1つ信用できないものが多いと感ずるからである。

申し訳ないが、永倉新八の二冊の本も誇張や記憶違い、場合によってははっきり誤認といえるものまであるから、その判断をしないといけないし、あの子母沢寛だって作り話が多い。

28通残っている歳三の手紙にしても、真実を書いている部分とそうでないところとあるように思える。
近藤さんの手紙だって、きっとそうだろう。
手紙って、読むもの達を安心させるため、また自分を大きく見せるために随分と誇張や偽りを平気で書けるものなのだ。土方歳三が女性たちにもてたのは頷けるが、文久三年はまだ、祇園や上七軒、新地や島原などで連日茶屋遊びにふけるほど豊かだったとは思えない。

松五郎の日記のほかに、もう1つ1級のものがある。
それは井上泰助の手紙の下書きである。
これは、泰助がミツに宛てて書いたもので、実際に投函されたのかどうかはわからないが、両家の関係がリアルに述べられている。

これは、両家の交わりの経緯を確認しているものだから、嘘偽りを書いても意味がない。
真実を述べて、ミツと泰助との間で確認しているものだ。ご存じない方もいるだろうし、そんなに長いものでもないので、ココに載せる。

Image283.jpg

 沖田ご祖母様よくよくお考えくだされ

私が言うまでもありませんが ご祖母様の父たるものも私宅分家井上惣蔵なるものの弟 ご祖母様の連れ合い亡林太郎殿も井上宗蔵なるものの弟にて

姓は沖田家を相続しているが骨水は井上の交合するその旧縁により 亡林太郎殿 倅(せがれ)芳次郎殿も同じにて

 宮原久五郎殿娘 梅殿が私の妹花を貫情結縁するつもりでおいでになったところ より悪くして帰郷することになった後 林太郎殿没後再度母上様本宿の私の姉方より(松本捨助の妻モトか)申し込み 姉方より相談に相成り 私も旧縁を察し また沖田宗司君にも 私新選組に在るとき種々お世話になりました

その順序によって 花なるものを宮原久五郎 井上善助両媒酌人をもって差し遣わし… …



この手紙、どういうわけか、後半がない。
切り取られたものか、書くのを止めたのかわからない。それに、解釈しづらい部分もある。

ミツの夫林太郎が死んだのが明治16年2月3日で、長男芳次郎が花と結婚したのが19年10月28日だから、その間にこの手紙は書かれたもので、疑う余地がない。

この手紙の最も価値のあるところは、ミツの父とミツの夫を特定しているところである。
それが、2代続いて井上分家から入っていると言うのだ。
これは、これまでにも様々に指摘されてきた。

僕は、今回、最後の部分の媒酌人に着目した。
一人は宮原久五郎で、僕のブログの左脇にその写真が載っているし、過去に書いたから参照してもらいたい(きっと、総司の母の弟、宮原家にそう伝わる)。
もう一人、井上善助と言う人である。
この人、井上姓だからその分家筋に当たるのだろうと推測は出来る。
様々に調査してみたら、ようやく発見することが出来た。
この人、
天保11年7月1日生まれで、住所は日野宿2460番地であった。新旧の番地を照合してみたら、なんと、井上本家のすぐ横の家で、それに、この善助さん、元は柴崎村の出で井上に養子に入ったのだが、柴崎村は、明治に入って沖田家が住んだところだ。
それに、宮原のおばあさんが「ウチは、江戸の頃は柴崎だった」といっていた。
なんだか縁がある。
(今の宮原家は、多摩川のすぐ南にある。江戸の頃は何回かこの玉川が氾濫して、その流れが変化している。川が宮原家の南にあったことがあると言う。と言うことは、宮原家はもともと川の北、そこは柴崎村なのである)

二人の媒酌人が、それぞれ、井上・宮原・沖田に関係のある間柄なのである。

実は、因縁話はもっとあるのだが、長くなるので、次回。
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2013/11/16(土) 17:58 | | #[ コメントの編集]
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2013/11/16(土) 17:08 | | #[ コメントの編集]
大野氏について
はじめまして。
大野氏のことが知りたくて、こちらの記事を読ませていただきました。

歴史に疎い素人の私で見当違いかもしれませんが、
大野氏の家紋が「中輪に横木瓜」とありましたので、
伊予は大洲市の天平2年から続く、
士族である大野氏(大伴系)の家紋が「木瓜」です。

武勲を立てたり、分家になって家が派生すると
元の木瓜の家紋を変形させているようです。(あいまいですみません)

伊予の大野家は全国へ散らばったそうなので、
こちらの分家ということはないでしょうか?
(武州にも大伴系大野家ある?みたいです。)

また、伊予から派生した大伴系の大野氏を研究されているお方を
ネットでお見受けしました。

外れかもしれないのですが、
コメントさせて頂きました。
2012/07/29(日) 20:44 | URL | 名無し #mQop/nM.[ コメントの編集]
沖田総司の新事実
宮原家は沖田総司の母の実家であると伝わる。村瀬彰吾氏ブログで宮原久五郎の写真が公開され、大きな衝撃を受けた。

この度、日野宿本陣文書検討会では井上泰助の手紙下書きに書かれた記述を解明すべく、日野宿ー四ツ谷ー北原、多摩川を越し、柴崎村を訪ねた。

普済寺には沖田家の墓所がある。左右の古い墓石には「沖田氏」「大野氏」と彫られ、家紋は「中輪に横木瓜」で沖田家の家紋であった。

◆村瀬氏の綿密な調査を元に沖田総司の全貌を極めるのが今回の目的で、所用で夕刻から合流された村瀬氏の持参された新たな資料にも驚嘆した。

現時点では、調査継続中であり、慎重に進めてゆきたい。

◆続きが楽しみです!!

宮原久五郎を手掛かりに、資料を駆使して、新事実公開を楽しみにしています。
2009/06/22(月) 22:46 | URL | munn #HVDXY222[ コメントの編集]
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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