村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

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ベルリン『第九』体験記-1

ベルリンフィルの本拠地で「第九」を体験してきたが、評判どおり、素晴らしいコンサートホールだった

    ――― ベルリン『第九』体験記-1 ―――

このブログは、本来、新選組に関するべきものなのだが、時々は違うものも交じる。
今回からは、以前にも載せたことはあったが、僕の旅行体験記を何回かに分けて紹介したいと思う。

この度の遠征は、単なる旅行ではなくて、目的は『第九コンサート』に参加することであった。
自分が病気を持っていることがわかったので、今のうちに、できるだけたくさんの体験をしておきたくて参加したものだ。

昨年、第九のテノールのパートを覚えたので、今年の2月国技館で行なわれた『すみだの第九』に参加した。
そこでは、全国から5000人もの人々が参加してくるので(外国からも)、様々な現在の第九事情を得ることが出来た。
この度は8日間、全国から応募した約60人の人々と一緒にドイツのベルリンへ行ったので、いろんな有益なお話をうかがうことが出来たのと、何よりも、良いお友達がたくさん出来たのが、大きな収穫である。

クラシックのホールというと、上野に東京文化会館というのがあって、僕は中学の頃にステージにのったことがあった。
確か昭和37~8年当時だ。
その頃はまだ、その会館も出来たばかりで、余りの美しさ、形のよさ、雄大さ、響きのよさに多くの音楽ファンが魅了させられたものだった。
その後も、僕は恵まれていて、ブラスバンドに所属していたせいもあって、3度も大ホールのステージにのる機会があった。
いずれも、良い思い出だったし、感動的であった。

その後、東京には、サントリーホールという名物コンサートホールが出来たが、東京文化会館の魅力に取り付かれている人たちは、いまだに多いし、良いホールとは、いつまで経っても古さは感じないものだし、むしろ磨きがかかる。

この度僕がステージ体験した『ベルリン・フィルハーモニー・ホール』は、その制作にあのカラヤン氏も参加したらしいが、響のよさでは世界有数らしい。
サントリーホールを作る際に参考にしたといわれるだけあって、筆舌につくしがたいほどの素晴らしいもので、ホール内の美しさもあるが、何といっても響きの素晴らしさに驚いた。
ただ、残響音が長いとかいうだけではない。

やわらかくて、暖かいのである。
それでいて、よく響く。

僕はテノールパートで第九の合唱団の一員なので、オケの後ろの中央に立った。
そこでの本番は、出演していたので写真を撮ることは出来なかったが、練習時に、そっと撮ったのがあるので載せる。
そして、会場から、オケの練習しているところを撮ることができたので、これも見て欲しい。
こんなに綺麗なホールは、そうあるものではない。

IMG_1097.jpg

ステージ上から撮ったもの

IMG_1083.jpg

正面からの、オーケストラの練習風景

IMG_1099.jpg

楽屋のカフェ

僕は病気のおかげで、今回、貴重な体験をすることが出来た。
物事、考えようである。
同じ病気でも、その病気にかかったお陰で得るものがたくさんあるってことがわかった。
入院して手術を受け、2週間ベッドに横になっていて、人生を見つめなおすことできた。

がん患者や重い疾患の人たちが、“余命あと○○年”などと宣告されて、どのような心持になるものかも自分が身を持って体験することがきた。
自分はこうして動けるだけで、まだしあわせである。
でも、いつまでも続くものでもない。
それがいつくるのか、2,3年先なのか、10年や20年なのかわからない。
それが、僕の病気らしい。
難病だから、仕方ない。
だから、動けるうちに、出来ることはしておきたい。

今回、第九を歌うのは3回目なのだが、一番うまくいった。
最初は日野市民会館のステージだったが、初めてなので自信がなかったのと、あの時は、病気の宣告を受けて体調が優れなかったこともあって、ステージ上で目まいがしていた。
次の国技館のときも2月だったので、このときも目まいだった。
数日後には、入院していた。

でも、この度は、医者から「大丈夫」とお墨付きをいただいた後だったせいか、めまいもせず、自分の実力が発揮できた。
気持ちよく歌えたのである。
慶応病院の鎌田医師のお陰だ。
まだ、30歳そこそこの人だが、僕には大変な名医である。

第九を歌ったことのある人ならわかると思うが、あの曲は、とにかく大声を出す。
大声競争みたいなところもある。
指導者も、もしかしたらいけないのかもしれない。
大きな声を出させるために様々な指導をする。
姿勢、呼吸法、口の形、気持ちの持ち方、さらには眼の形、顔の表情まで。

でも、人間、第九に限らず、なんでも、100%以上で頑張ると逆にマイナスなることが、往々にしてある。
コーラスも同じで、自分の限界を超えて出せば、声が裏返しになったり、音質も悪くなったり、何よりも音程が狂う。
僕は、長年、楽器でジャズをやっているが、全く同じである。

競馬用語で言う『おつり』が、必要なのだ。
四コーナーを廻って、馬が眼一杯の状態になると尻尾を振る。
騎手がそれに対して鞭をふるってケツをひっぱだく。
こういうときは、大概良い結果は生んでいない。
人生も同じである。

つねに、80~90%が良く、余裕=『おつり』が 必要なのだ。

今回、ベルリンフィルのホールの素晴らしさから入ってしまった。
でも、僕の感想は、いつもの癖で、いいことばかり言わない。
あのホール、中味は言うことないが、外面が悪すぎる。
恐らく、有名な建築設計家が建てたのだろうが、形が変だ。

IMG_1109.jpg

外からの風景

どこが正面で、全体がどんな形をしているのか、わからない。
それに、色が悪い。
金色だか、山吹だか、黄色だか、とにかく変な色だ。世界中の名門のオペラハウスやコンサートホールはそれなりの格式を感ずるのに、そばでよく見ると、トタン屋根に色を吹き付けたようにも見える。
でも、それは屋根部分だけで、その下の壁や入り口なぞは白である。それも、なんだか汚らしい。

日野に、FFというある有名な企業がいて、そのビルが真っ黄色でよく目立っている。
業績も素晴らしく大きな税金を落としてくれていたのだが、もう、30年も前に山梨の忍野村に本社機能が越してしまった。
お陰で、当市には税金が落ちなくなって、随分と苦労したものだったが、忍野村では、税金は入ってきたが、周りとの景観が調和しないとかで、これまたもめたらしい。
でも、金にはかなわない。

吉祥寺でも、最近、ある漫画家が自宅を変な色?で塗りたくったので、周囲ともめたことがあった。
ベルリンフィルのあのビルは、どう見ても周りと調和しているとは思えないが、オケの実力があるから、それで帳消しか。

日本でも、有名な設計家が手がけると、変なものでも良いことになってしまう傾向がある。
僕は、仕事柄、何度も行った『都庁』。
あのビル、なんだか味気ない。特に、中に入ると、なんだかせわしない。
白一色なのだ。

だから、気持ちが落ち着かない。後は、事務スペースに入ると、ダンボールの山。
機能的といえば、そうかもれないが、事務をとるにしても、中で働く人たちの精神面を考えるともう少し、心休まる色もあっていいのでは、と思うが。
知事室だけには、あったりして。

それに、これはどこの役所も一緒だが、~ホスピタリティー~がなっていない。
お客様に対しての応対だとか、優しさが感じられない。とにかく、行っても、座る長椅子さえない。
人を拒絶しているようで、用が済んだら早く帰れといわれているみたいだ。

不調和という意味では、行ったことはないが、映像で見て変に思えるのが、パリのルーブル美術館の前に出来ているピラミッド型の建物だ。
確か、あれ、ガラスでできているように思えるが、伝統的な後ろの建物とあっていないように見える。
実際に見ていないので、これ以上はいえないが、見た人は教えて欲しい。

ルーブル正面

ルーブル正面

続く―――
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村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
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