村瀬彰吾がつづる新選組話題を含む日記&エッセイ。

山本耕史は、意外にも、トーク上手で粋な男だった(後編)

---日野新選組まつり「山本耕史トークショウ」---

司会進行役の山村竜也氏は、質問事項を紙に書いておいて、それを見ながら聞いていく形式だった。それが時にぎこちなく、たどたどしかったので、我慢できないほどの緊張感が走りそうになると、耕史さんが助け舟を出して、自ら話し出したりしていた。(あの若さで、あの気遣いはたいしたもんだ)

その時の模様を再現してみると、
山村「新選組に共感したところは、どんなところでしたか」
耕史「うーん、よく聞かれるんですよ。武士道について。難しいですよね。土方歳三はヒーローで、男たちの憧れで格好いいですけど、今、語れといわれても……、簡単には語れませんね」

耕史の語りに熱っぽさが増してきた。

「自己を通すために、殺してもいいのか……。当時は許されていて、当たり前だったのかもしれませんが、自分にとっては、……微妙」

このあたりから、僕は俄然、耕史のファンになりつつあった。

耕史「ああゆうふうになりたいとは、言い切れませんね」

この人、てんで正直もんだと思った。
普通なら、この質問に対して、忠義を全うした土方に男を感じるとか、誠の旗の下に若き命を投げ出した男たちに、共鳴するとかの表現があってもいいのだが、耕史は本音でものを言っている。「でも、殺しはまずいんじゃない」と。

山村「もし幕末に生まれていたら、新選組に入りたいですか」
耕史「うーむ」

応えに窮している耕史。「カメラさんなどともよくこの話、したんですよ。入りたいかって……」
山村「土方のような隊士になりたいですか」
耕史「うーむ、どうですか。……島田魁がいいかな」

僕はこの時思った。耕史さんは、土方的生き方が自分にとって最高なのかどうか、いまだ結論が出ていないのだと。矢継ぎ早の質問に対して、体裁を整えて、「ああゆうふうに生きてみたいものだ」と言えばいいのに、言えない正直さを持っている人なんだと思った。

また、耕史さんはこんなコメントもしていた。

耕史「もし、新選組が勝ち残っていたら、今のこういう時代はありませんでしたよね」

山本耕史って人は、きっと、根っからの平和主義者に違いない。いけないもの、許されないものは駄目という、自己の信念を持っているんだ。例え、あの時代でも、自分は殺しに加担したくないという感性が先にあって、その上の演技なのだろうか。

役に簡単に迎合しない、一本筋の通った、人間臭を感じさせる大物役者に成長する予感を感じる。

どんな役柄を演じても、その人の誠実さが伝わってきて、自然、極上の作品にさせてしまう名優がいる。時代劇で言えば北大路欣也とか、加藤剛さんなど。はたまた里見浩太郎、高橋秀樹か。

もっとも、ファンにしてみれば、いつまでも土方歳三でいて欲しいのかもしれないが。
スポンサーサイト
コメント
香奈さん、コメント有難う
日野の新選組まつりには来られなかったということですね。
昨年は大河の年でしたから、大勢お客様が日野にお見えになりましたが、今年もどうして、いまだ衰えないのですよ。
耕史さんの存在が大きいのかもしれませんね。
日野でのライブ、ケーブルで中継していましたので、DVDに録画してありますよ。
2005/05/23(月) 18:52 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
改めて好きになりました♪
初めまして。香奈といいます。
 今頃なぜ?レスをと思われているでしょうが・・。
 正直感動しました!。トークの内容も、山本さんも・・。そして、詳細なレポを書いてくださった村瀬様も。
 日野の新撰組祭りに行けなかったもものの、ネットを駆使し、いろいろ情報を集めました。
 でも、ここのサイトは、詳細なだけではなく、山本耕史さんへの熱い思いを感じました。
 新撰組で山本土方にはまった 私にとっては、何よりも替えがたい内容でした。 ありがとうございます。
 これからも、遊びにきてもいいですか? 
2005/05/23(月) 17:53 | URL | 香奈 #AoVTHQKQ[ コメントの編集]
ナターリアさん、再び有難う
そうなんです。お母様に差し上げたのです。
ただ、お忙しいでしょうから、果たして読んでいただけるのか。僕の著作は420ページもあるので、読みきるには時間がかかります。
でも、昨日の三谷さんの朝日の記事からすると、ほぼ確定でしょうから(その後の土方歳三役出演)、参考にして欲しいです。
一寸哀しい土方歳三ですが。
2005/05/12(木) 23:36 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
村瀬様

後半も大変興味深く拝読させていただきました。
村瀬様の著作を山本さんのお母様にお渡しになったのですか。
きっと、感慨を持って読まれていることでしょうね。

図々しくも、こちらの記事をリンクさせていただきました。
これからもよろしくお願いいたします。
2005/05/12(木) 19:16 | URL | ナターリア #-[ コメントの編集]
Y.Sさん、お疲れです
新選組ツアー、お天気もよくて僕も愉しかったです。
また、日野へ来てくださいね。
それまでは、ブログを読んでつないでください。
2005/05/12(木) 00:04 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
yukoさん、コメントありがとう
今、NHKの中でその後の土方歳三を、放映する方向で検討されているようですが、楽しみです。
若し、実現すれば、耕史さんは再び、これまで以上に土方を研究することでしょう。
それは、近藤さんの斬首以降、人間としての本当の悩む歳三本人を演じなければならなくなるからです。
僕が彼のお母さんに渡した『人間土方歳三』を呼んでいただけると嬉しいんだけどなあ。
2005/05/11(水) 23:23 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
絵の具さん、いつも有難う
今後も、耕史さんの成長を見守りましょうね。
2005/05/11(水) 23:14 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
つぼみさん、ブログ読んでくれて有難う
土方歳三は格好いいには違いないのだけれど、そういうことばかりじゃなくて、同じ人間として、今の僕たちと同じような悩みがきっとあったと思っていました。
それなら、自分はそのことを書いてみようと思い、『人間土方歳三』を執筆しました。
今後も、僕のブログ、読んでくださいね。
2005/05/11(水) 23:12 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
ここなつさん、いつも有難う
ここなつさんが送ってくれる記事、いつも興味深く読ませていただいています。
この分野に疎い私には、とても勉強になります。
今後も、どしどし送ってくださいね。
2005/05/11(水) 23:03 | URL | 村瀬彰吾 #VvKxtd/k[ コメントの編集]
連投、うざいですね。ごめんなさい
こんばんは。村瀬さん。

かく語りき。読んでくださったのですね(^^)

山本さんの親類でもなんでも無い全く関係(縁)のないワタシが言うのもヘンですが、山本さんが村瀬さんのような方に褒められるとやはり嬉しいです。 
バカ・・あ、いやカワイイでしょ?ファンって(笑)

彼が新選組!の事を語ってるページがまだ少し残ってましたので、お時間のある時にでも・・・。

http://www.citywave.com/tokyo/cityliv/tokusyu/040305/01.html

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/tv04080201.htm

http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/interview/2004/sun041205.html

プッシュしまくってウザイですね、ワタシ!!ごめんなさーい!
2005/05/11(水) 22:29 | URL | ここなつ #WwsFi/EQ[ コメントの編集]
トークショーのレポ「人間・山本耕史」
はじめまして。以前から時々このブログを拝見していますが、書き込みは始めてです。よろしくお願いします。

山本耕史さんのトークショーの記事を読みました。私は地方に住んでいるため、なかなか日野に赴くことができませんが、いつか行きたい土地の一つです。GWも東京まで行くのがとても大変なため、ネットの記事だけで満足していましたが、男性の視点に立った記事が少ないのが残念だなあ、と思っていました。そこに、村瀬さんの記事を見つけて嬉しかったです。

私は長年の土方歳三ファンではありませんが、山本さんの演じる歳三を見て、人間的な土方さんに魅力を感じて気に入り、段々と山本耕史さん自身の人柄が知れるにつれて彼のことも好きになりました。ドラマや舞台にハマッたことはなかったのに、山本さんの演技や人柄にハマってしまったのです。

「若いのに気を遣っていて、正直な人だ」との村瀬さんの感想は、去年から私が山本さんに対して感じていたことです。それはメディアを通じての印象だったのですが、実際にお会いした方もそういった印象を受けたとのことで、そういうところも嬉しかったです。

初めてなのに長文で申し訳ありません。読んで頂いてありがとうございます。
2005/05/11(水) 22:16 | URL | つぼみ #mOnVX2ns[ コメントの編集]
村瀬さん、こんばんは。

後編も楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。

>どんな役柄を演じても、その人の誠実さが伝わってきて、自然、極上の作品にさせてしまう名優がいる。

そんな名優に山本さんなると私も思います。
2005/05/11(水) 18:42 | URL | 絵の具 #-[ コメントの編集]
村瀬様はじめまして。
よろしくお願いいたします。
村瀬さまの山本さん評にとても感動いたしました。
昔からの土方ファンですが、今は、山本さん自身のファンにもなりました。
彼の演技に最もひかれる部分は、村瀬さまも語っていらっしゃるように、役や自身に対する誠実さなのだと思います。
インタビューで彼が土方さんについて語るとき、土方さんに対する畏敬の念を感じます。
土方ファンとして、その姿勢がとてもうれしく、そうして演じていただけたからこそ、ここまで魅かれたのだと思いました。
演じる役について、深く研究し、己を磨き、役になりきろうとする。
そんな山本さんをこれからもずっと応援していきたいと思います。
>一本筋の通った、人間臭さを感じさせる大物俳優に成長する予感を感じる。
私もそう思っています。ありがとうございました。
2005/05/11(水) 11:35 | URL | yuko #-[ コメントの編集]
コメントの投稿
【Font & Icon】
管理者にだけ表示を許可する
村瀬執筆 時代小説
プロフィール

村瀬彰吾

  • Author:村瀬彰吾
  • 2004年大河ドラマ「新選組!」の決定以来、新選組特命主幹、日野市立新選組のふるさと歴史館館長を経て芸術文化担当として歴史に触れる毎日の生活を送っている村瀬彰吾のブログへようこそ!
    日野市在住。2006年に小説「人間 土方歳三」を出版しました。小説の詳しい情報や通販はH Pに。
    サイトに関してのお問い合わせ(動作不具合など)は管理人までお願いします。
    村瀬へのメールはこちら






リンク
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カテゴリー
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新の記事
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

最近のコメント
最近のトラックバック
ブログ内検索
RSSフィード